2025年12月7日第266回苫小牧西子ども劇場鑑賞例会
『左手のピアニスト』
が開催されました。
今回は高学年例会ということで
小学校4年生以上の鑑賞となりました。
智内威雄
公演していただいたのは大阪府箕面市を拠点に活動する
左手のピアニスト・智内威雄(ちないたけお)さんです。
ご病気で右手での演奏ができなくなり左手のみでのピアノ演奏を行う音楽家。
「左手のアーカイブ」プロジェクトなど音楽普及活動を多く手掛けている方に
苫小牧西子ども劇場に来ていただきました!!
開演
アイビープラザ2F講習室にて開演いたしました。
実はアイビープラザの1階ホールには大きなピアノ(グランドピアノ)があったと記憶しており
てっきりそちらでやるのだと思っていましたが
あいにく,別のピアノ発表会と日程が重なってしまい
講習室で小さめのピアノ(アップライトピアノ)での演奏となりました。
第一部
演奏はまさに目の前で(良い席に座ったな)行われ
手元はカメラで撮影してプロジェクターにて投影する形でした。
初めの方はウクライナの曲やバッハの曲を演奏。
そして軽快なトーク(主に楽曲の説明や智内さんの活動について)を挟んで
次のテーマの曲を演奏。という形で進行しました。
ピアノ(というか音楽全般)に疎いハリーはトークの内容が新鮮でとても面白かったです。
知識として戦争で片腕を失ったピアニストが片手で演奏できる曲を残したという話は知っていたのですが
それよりももっと昔,300年ほど前から,(利き手ではない)左手のための練習曲という分野として確立されていたのだとか。
などなど沢山の知識をアップデートできました。
が,しかしハリーの周りの小学生たちは明らかにトークの時だけ集中できておらず
話が理解できず退屈そうな様子でした。
それでも普段騒がしい子げきの子達が演奏の時に静まり返るのは凄いなと感心でした。
それだけで智内さんの演奏に引き込まれるor心地よく夢の世界へということだったのでしょう。
ハリーは演奏中手元よりも,真後ろからの姿勢を主に見ていたのですが
初め逆”く”の字のようにバランスを崩しているというか無理やり弾いているように
(最初は片手で引いていると片側だけ身体が歪むのかなと思っていました)見えました。
しかし,前半最後の曲を演奏しているときは真っ直ぐな姿勢で身体全体で表現するかのように演奏されていて
トークの中で触れられていた,このアップライトピアノのポテンシャルをどんどん引き出せるようになってきている
ということなのかな?とか思っておりました。(疎すぎて正直ハリーにはすごいとしかわかりません……)
第二部
第二部のスタートは小学生から大学生までの女の子による朗読
『生きる』(谷川俊太郎)に智内さんの伴奏。
間違いなく今日一番の盛り上がりでした。
伴奏と言ってもずっと音楽があるわけではなく自分の声だけの場面もある緊張した中で
5人全員が堂々と朗読をしていました。
間の取り方,音楽に合わせること,感情の入れ方
1時間ちょっと前に練習して1回リハやっただけとは思えないほど素晴らしく
5人それぞれの個性もあり,それでいて全体の調和がとれている素晴らしい朗読で涙が出るかと焦りました。
続いて気仙沼組曲という東日本大震災を忘れないために作られた本(古い民話に震災による津波を新たに足して再編したもの:間違えてたらごめんなさい。)
に音楽をつけるというもの。実際はこちらも朗読のために作られた組曲のようだが
今回は,音楽のみでの演奏となった。
実はハリーは当時気仙沼市の北隣の大船渡市に宿をとり,その北隣の陸前高田市で震災を経験した。
もちろん津波を目の前で見たし,当日夜に訪れた大船渡の宿は道を挟んで反対側までは流されていた。
この演奏を聴いて,久しく忘れていたあの情景がをまた思い出していたハリーであった……
そして智内さんの音楽プロジェクトの一つ
「子ども作曲プロジェクト」で埼玉県蕨(わらび)市の小学生が作曲した曲の演奏。
実はハリーは(この構文2度目)埼玉県生まれ。どんな未来の楽曲が聞けるのかと思っていたら
1曲目のタイトル『なつのうみ』。
海のない埼玉県で海へのあこがれ・理想を込めている良い曲だなと思ったけど口には出さなかった。
最後はクラシックとしてはかなり短い15分の楽曲
バッハ・ブラームス(Bach=Brahms)の『左手のためのシャコンヌ(Chaconne for left hand)』
本当に最後まで素晴らしい演奏,そしてトークをありがとうございました!!
ぜひまた来てください。そしてその時は質問コーナー設けてください!お願いします!!
最後にハリーの一言感想
左手だけの演奏は両手の演奏に比べて,音数が少なくて非常に穏やかで好きな演奏でした。
本当に音楽が好きで,みんなに音楽の魅力を伝えたいという気持ちが強く感じられた例会でした。
(俺スゲーだろっていうピアニストへの個人的な偏見を含む)


















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